稀風社ブログ

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稀風社は鈴木ちはね(id:suzuchiu)と三上春海(id:kamiharu)の同人誌発行所です。問い合わせはkifusha☆gmail.com(☆→@)へ。

稀風社配信第17回予告 題「野球」

 2/8(日)の夜21時より、第17回の稀風社配信を行います。

テーマ詠「野球」

 今回の配信も題詠歌会のユーストリーム配信を行います(配信urlは追ってTwitter上にて告知します)。題は「野球」、テーマ詠になります。古くは正岡子規のベースボールの歌から、さいきんは斉藤斎藤さんの有名な歌まで、実は野球は短歌では長く長く詠みつがれてきたテーマです。さまざまな角度から野球について詠んだ歌がでてくるのではないでしょうか。どうぞご期待ください。

●久方のアメリカ人のはじめにしベースボールは見れど飽かぬも
  /正岡子規

●ボケ岡と呼ばるる少年壁に向きボール投げをりほとんど捕れず
  /島田修三『晴朗悲歌集』

●うれしいときなぜ手を叩く祈るときなぜ手を合わす内野席にて
  /大滝和子『銀河を産んだように』

●優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる
  /俵万智『チョコレート革命』

●死因の一位が老衰になる夕暮れにイチローが打つきれいな当たり
  /斉藤斎藤人体の不思議展(Ver.4.1)」

配信参加者

 そして今回はゲストに、東北大学短歌会にも参加されている、山本まともさん(@amazo3)をお呼びします。


 wikipedia<死球>の項に載せられた「死球を受ける打者」のその時
   山本まとも(インドア(連作30首) - amazo3の日記


 突っ張り棒が突然落ちる 壁紙のくぼみに先を再びあてる
   山本まとも「デジャ毛」『短歌研究 2014年9月号』


 昨年の短歌研究新人賞の候補作「デジャ毛」は日常のさまざまな「瞬間」と「気づき」をとらえることに優れたとてもおもしろい作品でしたが、上掲の山本さんのブログには自選短歌なども掲載されています。必見です。
 その他の配信参加者は、鈴木ちはね(@suzuchiu)、情田熱彦(@johnetsu)、木屋瀬はしご(@haxigo)、三上春海(@kmhr_t)を予定しています。はしごさん連絡くれー。

短歌を募集します

 今回の配信でも前回にひきつづき、視聴者のみなさんから短歌を募集します。集まった短歌の中から事前選考により選ばれた一首は、歌会の詠草一覧に加えられ、無記名の一首として、参加者の歌と同様に配信時にあつかわれます。またそのほかの短歌についても当ブログに掲載する予定です(詳しくは前回の配信のまとめ(稀風社配信第16回詠草一覧+視聴者投稿短歌 - 稀風社ブログ)をご覧ください)。前回は7人の方から投稿がありました。
 特に景品はありませんが、自分の歌を山本まともさんや稀風社のめんめんに読んでもらいたいという方は、ぜひ投稿をしてみてはいかがでしょうか。お待ちしています。
 詠草はテーマ詠「野球」で、ひとり一首まで、三上春海(@kmhr_t)か鈴木ちはね(@suzuchiu)のTwitterアカウントまでDMにより以下の3点を明記した上でお送りください。(相互フォローにないかたは「フォローしてください」などと三上までリプライをくださればすぐにフォローいたします。)
●「第17回稀風社配信用」の旨
●詠草
●ハンドルネーム(ブログなどに掲載するときに使います)
 投稿の締め切りは2月7日(土)の23時59分です。
 お送りいただいた短歌は、稀風社ブログの記事の中や、あるいは今後発行される稀風社の同人誌等に掲載する可能性があります。未発表として控えておきたい歌は投稿しないようご注意ください。


 配信url、配信開始時間等は追ってTwitter(@suzuchiu,@kmhr_t)にて告知します。また配信の録画も配信終了後30日間公開いたします。
 それではどうぞよろしくお願いします。
 id:kamiharu

稀風社配信第16回詠草一覧+視聴者投稿短歌

 本日12/21の21時ころより、鈴木ちはね、三上春海、木屋瀬はしご、情田熱彦、そしてゲストに同志社短歌会、神大短歌会の溺愛さんをお呼びして「テーマ詠:卵」として歌会の配信を行いました。配信の録画は今日から30日以内に限り公開中です。Ustreamで「稀風社配信」と検索をすれば試聴できます。


 配信で扱った詠草の一覧は以下のとおりです。上記五名の歌に加えて、今回は視聴者から募集した短歌を一首加えました。多くの力作が集まりました。みなさまありがとうございました。
 記事後半には視聴者のかたがたから投稿して頂いた歌を、配信参加者のコメント付きで掲載しました。こちらもどうぞご覧ください。
 

【詠草一覧】
1.卵(らん) そして日日は受肉をくりかえし手に触れながら明滅している
 投票:三上春海
 視聴者票:YM_WT、is_hi_i


2.卵だけ手わたされた御友人はその後まじめに生きていますか
 投票:溺愛
 視聴者票:NIFOR6、myokoym、is_hi_i


3.卵殻を食むかたつむりもう二度と雨が降らない瓶底を這う
 投票:鈴木ちはね、情田熱彦、木屋瀬はしご
 視聴者票:YM_WT、maedarokugatu


4.ミサイルがたまごをすべて焼いていく 生まれるなdamnitもう生まれるな
 投票:鈴木ちはね、情田熱彦
 視聴者票:NIFOR6、antiskeptic、suit_003


5.白銀にひかりかがやく舟の見ゆ きみに卵をうませてあげる
 投票:溺愛


6.スリルある卵だったぼくたちの成人式にぜひきてください
 投票:三上春海、木屋瀬はしご
 視聴者票:maedarokugatu、myokoym、antiskeptic、suit_003




【作者解題】
1.鈴木ちはね 2.情田熱彦 3.にふぉー(視聴者投稿) 4.木屋瀬はしご 5.三上春海 6.溺愛




【視聴者投稿の短歌と、そのコメント】
ただ卵まみれの部屋で爆弾のコード握って寝坊しようよ/二三川練
・「卵まみれの部屋で寝坊するって、卵まみれだから寝返りとかうてなさそうだなー、って思ったらさらにそこから爆弾のコードを握っていて吹っ飛ばす気満々だな(笑)っておもしろかったです」(溺愛)


無精卵ばかりの群れに間違えて一本生える首を捻った/加瀬ナカレ
・「躊躇なく偶然の命を摘み取るかっこよさ」(木屋瀬)
・「「無精卵」という生命につながらない不毛な存在、あるいは秩序に奉仕するような鬱屈が感じられて良かったです」(鈴木)


かなしみの卵戦争ぼくたちは10個パックで消費されてく/ほしみゆえ
・「「卵戦争」ってなんなのでしょう、この言葉だけでもとても悲しそうな気がします。卵は弾丸のように消費されていく。スーパーは前線かもしれない」(三上)


ばあちゃんも卵子だったと聞きました話明かせばまた沈む月/中川徹哉
・「ばあちゃんという歴史がつまっている代名詞に卵子という若さをより強くした言い回しを持ってくるところがおもしろいと思いました。語り明かすを話し明かすや時間の経過を月が沈むと変えるところに自分の世界があり良いと思います」(溺愛)


真っ白な冬の朝日に包まれた君が卵を割る音がする/志歩
・「聴覚で卵をとらえていて新鮮でした。『真っ白な冬の朝日』の白さもまた、卵の白さを想起させます」(三上)
・「やや白さ明るさ一本調子なところに難があるものの、卵が割れる音に着目していること、そして朝の光に満たされた「君」がいる光景を、これもたぶん音を聴いて想像しているのであろうこと、それらを総合して得られる「君」と主体の光景がとても和やかでいいなと思いました」(鈴木)


雛になりかけの頭に卵殻を隔ててのこぎりの音がひびく/迂回
・「卵殻1枚を隔てて脳髄に直接響くメカニカルなのこぎりの音が、一首全体のギザギザ感のあるリズムとシンクロしていてすごい好きです」(情田)
・「孵化するまでもう少しだけ待ってあげてほしいけど、待ったとしても迷わずにひよこを食べそうな勢いを感じます。食べることが決まった後に慈悲なんか意味を為さないんだ、今のこぎりは進んでいるんだ、卵殻が割れるのは今なんだ、と畳み掛けるようで好きですね」(木屋瀬)

稀風社配信第16回予告

 12/21(日)21:00ころから第16回の稀風社配信を行います。
 『稀風社の嬌声』に掲載した第13回~第15回に引き続いて、今回の配信もまた題詠歌会のユーストリーム配信を行います。題は「卵」、テーマ詠になります。食べ物としての卵、これから生まれるものとしての卵、受精卵、卵の殻、などいろいろとアプローチの方法がある題です。有名な歌としては例えば次の歌があります。


 大きなる手があらはれて昼深し上から卵をつかみけるかも/北原白秋


 配信参加者は、鈴木ちはね(@suzuchiu)、情田熱彦(@johnetsu)、木屋瀬はしご(@haxigo)、三上春海(@kmhr_t)に加えて、ゲストとして溺愛さん(@l800___)をお招きする予定です。溺愛さんは神大短歌会、同志社短歌会に所属されていて、溢れ出るような短歌や連作を作られる方です。


 しろくまカレーライス園 そこではみんながにこやかにカレーを食べてしろくまを見る
   溺愛「動物図鑑」『神大短歌vol.1』
 星座さえ違うだけで泣きそうなのにどうして血液検査をしないの
 緒川那智のなまえをもってるみずいろハブラシ衛星軌道にいまのりました
   溺愛「血液型がわからないから動物占いができない」『同志社短歌一号』


 題詠「卵」、各位がどのような短歌をつくるのかとても楽しみです。
 配信url、配信開始時間等は追ってTwitter(@suzuchiu,@kmhr_t)にて告知します。
 どうぞよろしくお願いします。
 id:kamiharu


追記
 今回の配信では試験的に、視聴者のみなさんから短歌を募集してみたいとおもいます。集まった短歌の中から事前選考で選ばれた一首は、歌会の詠草一覧に加えられ、無記名の一首として、参加者の歌と同様に配信時に扱う予定です。またそのほかの短歌についても当ブログに掲載の可能性があります。
 特に景品などはありませんが、自分の歌を溺愛さんや稀風社のめんめんに読んでもらいたいという方、ぜひ投稿をしてみてはいかがでしょうか。
 詠草はテーマ詠「卵」で、ひとり一首まで、三上春海(@kmhr_t)か鈴木ちはね(@suzuchiu)のアカウントまでDMにより「第16回稀風社配信用」と明記したうえでお送りください(相互フォローにないかたは「フォローしてください」などと三上までリプライをくださればすぐにフォローいたします)。投稿時には詠草と、ハンドルネームを必ず付記してください。投稿の締め切りは20日(土)の23時59分です。
 お送りいただいた短歌は、そのうちの一首は配信内で詠草として扱うほか、ほかの歌についても稀風社ブログのこの記事の中や、あるいは今後発行される稀風社の同人誌等に掲載する可能性があります。未発表として控えておきたい歌は投稿しないようご注意ください。
 それでは、まだ見ぬ素敵な短歌、ふしぎな短歌など、お待ちしています。

【告知】『あたらしい遠足』『稀風社の嬌声』委託のお知らせ

 稀風社の文フリ19新刊『あたらしい遠足』『稀風社の嬌声』の二冊があたらしく、東京都中野区中野ブロードウェイ内にあります「タコシェ」さまに委託されることになりました。頒価は500円+税となります。
 新刊の詳細については以下の記事(1)をご参照ください。また『あたらしい遠足』については記事(2)もご参照ください。
 1.稀風社文フリ19新刊紹介―「あたらしい遠足」「稀風社の嬌声」― - 稀風社ブログ
 2.『あたらしい遠足』に関するお詫びと訂正 - 稀風社ブログ
 「タコシェ」さままで電話等により直接問い合わせていただければ、通販をすることも可能となっています。また「タコシェ」さまには上記の新刊のほか、現在は『さよならが来るのを待っている君へ』『海岸幼稚園』が委託されています。


 また、北海道は札幌市でも稀風社の既刊・新刊の販売が行われることになりました。来る12/7(日)のらっこ歌会さまの一周年記念イベント内「詩歌フリマ」に、『あたらしい遠足』『稀風社の嬌声』『海岸幼稚園』を出品いたします。頒価はどれも500円を予定しています。札幌近郊のかたはこちらもぜひよろしくお願いいたします。
 らっこ歌会 | らっこ歌会1周年記念イベント『謹んでお祝いおでんしつつ』開催!

「月夜のドライブ」訂正版 全文掲載

 稀風社の文フリ19新刊『あたらしい遠足』に収録の小説作品「月夜のドライブ」(作:尾瀬みさき)の訂正版を全文掲載いたします(掲載にあたっての経緯は次のリンクをご参照ください)。
 『あたらしい遠足』に関するお詫びと訂正 - 稀風社ブログ
 『あたらしい遠足』を購入されたかたはもちろん、そうでないかたにも広くご覧いただければとおもいます。
 『あたらしい遠足』をご購入いただいた皆様につきましては、本文末尾に正誤表を付記しましたのでそちらもどうぞご参照ください。

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